「糖尿病について」と題する健康講演会が開催されました。
2012/11/26 11月24日午後2時から市立コミュニティセンター大会議室で南中円卓会議主催の健康講演会が開催されました。
今年は、近畿大学医学部「内分泌・代謝・糖尿病内科」山内孝哲先生をお招きして「糖尿病について」のお話をしていただきました。
講師の山内孝哲先生と講演テーマ
講演内容で次のような注目すべき内容のお話がありました。
1.1980年頃から糖尿病予備軍も含め、糖尿病患者が急激に増加しており、その傾向は自動車の増加傾向と類似している。(注)厚生省資料 平成19年の糖尿病患者数890万人。糖尿病予備軍1320万人 合計2210万人いると推定。(糖尿病が疑われる人の約4割はほとんど治療を受けていない)
2.糖尿病患者増加に最も寄与している要因は、「脂肪摂取量の増加」である。
3.糖尿病は10年、20年と長期にわたって病状が徐々に進行し、慢性合併症発症(動脈硬化(心筋梗塞、脳梗塞)、糖尿病網膜症(最悪失明)、糖尿病腎症(最悪人工透析)、糖尿病神経障害(最悪手足の壊死)など)に至る。そのため、サイレントキラー(静かなる殺人者)といわれている。
4.糖尿病の原因となる要因・・・過食、肥満、運動不足⇒生活習慣の改善が重要
5.糖尿病の治療は、まず「食事療法」と「運動療法」
内科治療は、インスリンの投与。早めの治療をすること。
6.メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群。肥満、脂質異常、高血圧、高血糖[四つの危険因子] )の該当者や予備軍を減らす必要がある。
(メタボリックシンドロームの診断基準:男性のウエスト 85センチ以上、女性のウエスト 90センチ以上)
7.肥満の量的改善⇒腹八分目の食事と、食品の種類を増やし、植物繊維が多く脂肪控えめの食事
肥満の質的改善⇒内臓脂肪を減らし筋肉を増やすための運動
茶碗1膳のカロリー(約160Kcal)を運動で消費するには、たとえばウオーキングでは少なくとも30分から40分程度は歩く必要がある。
8.糖尿病患者を減らすには、小さい頃からの食生活に対する教育と若い世代への教育が重要
健康講演会には約60名の方が参加され、熱心に聴講されていました。山内先生のお話は非常に分かりやすく、糖尿病について的確な知識を得ることができ好評でした。