平成26年2月26日に環境部会が計画した「ごみ焼却工場見学会」が開催されました。参加者20名で、快晴に恵まれて11時から16時まで、南河内環境事業組合の泉俊行さんの案内で、関連設備なども見学し、「ごみ」について勉強しました。
まず、マイクロバスの車中で環境部会の伊勢田さんからごみの量の実態、ごみ減量運動などについて配布された資料について説明がありました。
****市では「ごみ減ニュース」を発行し、ごみ減量の啓発活動を推進します。当市のごみの量は市民1人1日当たり約1㎏(平成24年度)で河内6市町村の中でも最も多く、大阪府でも高い水準になっています。1人当たり年間ごみ処理費用は1万5千円となっており、年間約9億円にもなります。ごみを減量することによって、税金を他の施策に活用することができます。当市では市民協働事業としてごみ減量対策推進会議が減量活動をしていますが、地域住民の理解と協力が必要です。
特に燃えるごみ、粗大ごみについてごみ減量による経費削減は次のようになります。
持ち込まれたごみは、入り口で重量を計算され、各市町村単位の年間総重量比で6市町村の年間負担額が決まります。
大阪狭山市のH24年度負担金は、443,974千円で、内訳は下記のとおりです。
施設費均等割 14,795千円
施設費人口割 140,726千円
処理量割 269,137千円
共通事務費・管理費割 17,235千円
シール負担金 2,081千円
市民一人当たり負担金は 7,701円。
ごみの排出量で増減するのが、処理量割で269,137千円、ごみを減量することで経費が削減できるのです。
昨年度の実績では、大阪狭山市の市民一人当たり、一日のごみの排出量(生ごみ・粗大ごみ)は、794gです。市の試算によると、
ごみ減量
▲10% ▲80gで、24,810千円、
▲20% ▲160gで、50,690千円
▲30% ▲240gで、77,710千円
これだけ経費の削減が出来るのです。
1日80gなら簡単に出来ると思いませんか?浮いたお金は、円卓会議、自治会、老人福祉や子育てなどに使えます。(但し、議会の承認が必要で簡単には移せません?)
また、極論すると、ごみゼロを目指せば、ごみ収集はなし、焼却場も必要なしで、7億円程度の経費削減が可能なのです。
市では平成40年を目標年度とした一般廃棄物処理基本計画を委員会で検討しました。その結果がパブリックコメント募集の段階になりました。詳細は市のホームページにありますので、みなさんのご意見をお願いします。****
市立コミュニティセンターを出発して20分ほどで東池尻の資源再生センターに到着しました。
この施設は平成14年に54.6億円かけて設備を全面更新し、平成22年度から富田林市、大阪狭山市、河南町、太子町、千早赤阪村の構成団体からなっており、バキュームカーからのし尿の処理を行っています。当市は殆どが下水処理になっているために依頼比率は2.3%と少ないようです。10名の職員により24時間体制で運転されています。
職員の方から、設備の概要と汚泥資源化について説明を受けました。
膜分離高負荷脱窒素処理方式という方式で200kl/日処理され、脱水汚泥、有機性廃棄物をもとに有機肥料を生産するとともに有機性廃棄物のリサイクルを行っています。平成24年度はし尿汚泥肥料52トン、汚泥発酵肥料211トンを生産し、農地還元したとのことです。後者は家庭菜園に適し、無料で提供されています。汚泥発酵肥料サンプルがみんなに配られました。
熱心に説明に聞き入る参加者
また、閉鎖的であったし尿処理場のイメージを払拭するために、環境学習ルーム、パターゴルフ場などが市民に開放されています。写真左がパターゴルフ場です。
この後、富田林の農業公園サバーファームに立ち寄り、昼食をとりました。シーズンオフでしたが、イチゴ狩りなどがされており、菜の花がきれいに咲いていました。
マイクロバスに乗り20分ほどで、燃えるごみ、粗大ごみなどを焼却する富田林市大字甘南備にある第1清掃工場に到着しました。
南河内環境事業組合清掃工場は第1清掃工場、第2清掃工場があり、後者は河内長野市にあり同市の専用になっています。
第1清掃工場は職員33名、嘱託12名、業務委託61名で運用されています。
まず、職員から設備の概要について説明を受けました。
焼却炉は止めることが許されないので2炉あり、1炉当たり1日150トンの焼却能力があります。また、粗大ごみを粉砕する回転式破砕機(5時間当たり50トンの処理)、長尺もの用にせん断破砕機を備えています。この工場は昭和61年に建て替えが行われたそうです。
特に環境面で考慮されていることは、排ガス対策(電気静電気による集塵機)、排水対策(有毒ガス除去装置)、防臭・防音対策であり、また、自動化・省力化の最新技術を導入しています。ごみの燃焼温度は900~1000℃であり、ダイオキシンは全く問題ないとのことです。焼却時に発生する余熱を使って、1000kWの蒸気タービン発電機により、工場内で使用する電力の60~70%を賄っているとのことです。
最新の制御室の説明を聞く参加者
ごみピットの見学。ごみ、クレーンを使って撹拌する様子を見学しました。
ビニールなどから出る塩化水素と消毒に使う苛性ソーダから工業塩ができます。
ごみ量200トンのうち1%、2トン/日の工業塩が精製されます。
平成8年にシール制が導入され、また、人口も減っているがごみの量は変わらない。これは世帯数が減っていないのが原因かもしれないとの話もありましたが、今日の見学により参加者のごみ減量に対する意識が高まることを期待しながら、見学会を終了しました。お疲れ様でした!
終始、見学の案内をしていただいた、泉さんにお礼申し上げます。